作家ブログ

最近の記事

バックナンバー

執筆陣

月曜日:たろプン
火曜日:ぽるたん
水曜日:滑空
木曜日:あべもりおか
金曜日:桃色卍流
土曜日:星崎ひかる
日曜日:KEN

本当にあったあなたの知らない世界 最終回 (あべもりおか) <2008/8/14 木曜日>

さて、長々とお話してきたワタシの怪談話ですが、本日のネタを持って最終回となります。

今回の出来事は、順番的には、二番目に古い出来事なのです。

…あれはもう、十何年も前になりますか、とある晴れた日…

某バイク屋勤めのワタシは、軽トラで首都高を走っていました。

前日、茨城の営業所から商品のスクーターを預かり、

以前紹介しました、あの危ない(笑)茨城寮で一泊した翌朝、

自分の勤める都内の営業所に運んでいたのです。

商品も積んでますし、ゆっくり目に走っていたのですが…

ワタシの運転する軽トラは、緩い左カーブの上り坂にさしかかりました。

そして、カーブを抜け、目の前に直線道路が開けた瞬間…

「あれ?」

はて、なぜかハンドルがフラフラとふらつきはじめました。

ふらつきは、次第に激しくなり、ついには車体を大きく揺さぶり始めました。

「…パンクでもしたかな?」

ワタシは、路肩に寄ってタイヤをチェックしようと思いました。

こういうときには、ブレーキを踏んでは逆に危険なので、

エンジンブレーキで速度を落とそうと、アクセルから足を離しました。

…その瞬間です!

突然、まるで誰かが引っ張ったように、手のなかで勝手にハンドルが回ったのです!

まるで、スローモーションのように景色が回り…

「ガッシャ-ン!!」

運転席側に軽トラは横転し、サイドウインドゥが砕け散り、ドアとアスファルトが火花を散らします。

シートベルトをしてなければ、危ないところでした…

道路公団の事故処理に人に助けてもらい、軽トラを起こすと、特にパンクした様子もなく、

ボコボコになった軽トラは、さっきのふらつきはどこへやら、一応自走して帰ることができたのですが…

後日、ワタシが事故ったことを聞きつけて、とある先輩から電話がありまして…

「あのさ、M(以前紹介した、霊能者M君)から聞いたんだけど…お前、事故る前、茨城寮に泊まったろ。」

「はぁ、そうですが…」

「そんときなんだけど、Mの部屋に、幽霊が三人出たんだって。」

「ほうほう。」

「「その三人が、Mのヤツに、話しかけたり触ってきたりで鬱陶しくて、眠れなくなったMが、

水でも飲もうと、台所のドアを開けたら、お前が居たんだって。」

「あ~、そういや、俺が台所で漫画読んでたら、確かにMのヤツが入ってきましたねぇ。それで?」

「……」

「…ど、どうしたんですか?」

「Mの部屋に出た三人がさ…お前の肩に憑いてたそうだぞ。事故った原因、それじゃねーのか?」

「マジっすか!!??…し、出発する前に教えろよM~~~~~~~~~!!!!!!」

もちろん、事故とその幽霊の因果関係はわかりません。

ですがあのとき、不可解に軽トラが揺れ、ワタシの手の中で、勝手にハンドル が回ったのは

本当にあった事なのです…

終わり